ディケンズとギッシング 底流をなすものと似て非なるもの
研究書
書籍名 | ディケンズとギッシング 底流をなすものと似て非なるもの |
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価格 | 3,400円(税別) |
著者名 | 松岡 光治 (著, 編集), 小宮 彩加 (著), 吉田 朱美 (著), 中田 元子 (著), 玉井 史絵 (著), 金山 亮太 (著), 田中 孝信 (著), 木村 晶子 (著), 松本 靖彦 (著), 新野 緑 (著), 楚輪 松人 (著), 宮丸 裕二 (著), 麻畠 徳子 (著), 三宅 敦子 (著), 橋野 朋子 (著) |
サイズ | 21 x 15 x 2.2 cm |
ページ数 | 298ページ |
発行年月 | 2018年12月 |
ISBN | 978-4271210597 |
ヴィクトリア朝前期の国民作家ディケンズと彼を敬愛して批評書や作品の序文まで書いたヴィクトリア朝後期の自然主義作家ギッシングを比較検討した論文集 C・K・ショーターは、ジョージ・ギッシング著『チャールズ・ディケンズ論』(1898年)の書評で、「ディケンズを好意的に批評する仕事がギッシング氏に与えられたのは面白い皮肉だ」と述べている。前者は貧困を実際以上に明るく、後者は実際より暗く描いているからである。
楽観主義と悲観主義という大まかな作風の違いはあるにせよ、ギッシングの陰鬱な小説にはディケンズ的な笑いやユーモアが見られるし、ディケンズがギッシング並みの重苦しい深刻なテーマで書いた作品も少なくない。また、登場人物、プロット、技法、社会問題の扱い方、ロンドンの情景描写などに関して、これまで両作家の類似点がたびたび指摘されてきた。
しかし、そうした類似点の背後には二人が持って生まれた気質の影響、そしてヴィクトリア朝前半と後半の時代精神や社会風潮の影響を受けた相違点も見出せる。本書では、このような「隠れた類似点と相違点」に着目しながら、ディケンズとギッシングの作品について、序章に続けて15の観点から比較検討した。